デロンギデディカにボトムレスフィルターは必要か?現役バリスタが回答します。増幅弁とは
さて、自分がデロンギのデディカアルテを購入してから約二か月が経とうとしています。
また別記事にまとめようと思っていますがやはり家庭用エスプレッソマシンは業務用エスプレッソマシンとは全くの別物で色々と苦戦しながら抽出からスチーム、ラテアートまでかなりの試行回数をこなしてきました。
その中で最後までどうしようもなかったのが「クレマとエスプレッソの硬さ」でした。
これ、自分と同じ悩みを抱えている人が多いのでは?
そしてその原因となっているのがエスプレッソマシンを購入した時に付属で一緒に付いてくるポルタフィルターの「増幅弁」でした。
なので今回はこの増幅弁付ポルタフィルターをそのまま使用するか、ボトムレスフィルターに変更するかをお話したいと思います。
自分の使っているデディカアルテだけでなく、この増幅弁を採用しているデロンギやボンマックなど他社製の家庭用エスプレッソマシンを使っている方に是非参考にして頂きたいです。
長くなる前に先にもう僕自身の回答をお伝えしようと思います。それは、
増幅弁付のポルタフィルターを使っている方は絶対にボトムレスフィルターに変更する事をお勧めします!!
理由は後で詳しくお伝えしますが、エスプレッソの質、味や香りなど全て比べ物にならない程向上します。
増幅弁とは?
まずそもそも増幅弁とはなにか?
それは家庭用エスプレッソマシンの弱く安定しない気圧でもクレマ(泡)が発生するように、この小さな穴を通すことで強制的に偽のクレマ(泡ぶく)を作り出すものです。
本物のクレマ自体もガスの作り出す泡なのですが、この増幅弁を通してできたクレマはいわゆる偽のクレマということになります。
この増幅弁でのエスプレッソ・クレマが曲者(くせもの)だったんです。
増幅弁で作られたクレマは層が厚く硬く、表面にも無数の割れない泡ぶくが残ってしまいます。
またエスプレッソ自体も硬く、厚いクレマとプラスしてこれがラテアートをする際に障害になりミルクが流れず満足のいくラテアートができないといった事態になってしまっていたんです。
(増幅弁のクレマでラテアートしたもの)
写真を観てもらって分かる通り、ラテアートした後でもまだ表面に泡ぶくや泡ぶくが割れたあとが残ってしまっています。(スチームミルクの泡の不出来ではありません(^-^;)
せっかくラテアートが綺麗にできても表面が泡ぶくだらけだったらちょっと残念過ぎますよね。
なのでずっとこのエスプレッソの硬さをどうにかできないかと調整を頑張っていましたが、やはりもう根本の増幅弁をやめる以外にない!という結論になりました。
この増幅弁とお別れする!!
そこでボトムレスフィルターが登場する訳です。
ボトムレスフィルターをお勧めする理由
そしてつい先日、遂にボトムレスフィルターが届いたので早速使用してみました!
すると見て下さいこの美味しそうなエスプレッソを!
そうなんです、この表面が滑らかで柔らかそうなクレマを望んでいたんです。
この写真のエスプレッソは少しクレマの層が薄いですが挽き目などの調整をすればそれは好みで改善できると思います。
見ただけでラテアートがやり易そうな気配しかしません。
(ボトムレスフィルターのエスプレッソでラテアートしたもの)
先ほどの増幅弁のクレマで作ったラッテとは表面のツヤやミルクとの馴染みが雲泥の差です!
写真では伝わらないかもしれませんが、ミルクも増幅弁のエスプレッソとは比べ物にならないぐらい流れて乗せやすかったです。
そしてこれはボトムレスフィルターの特徴になりますが、
油分と香りがダイレクトにカップに落ちてきて美味しさが桁違いになります!
以上のことからラテアートをやりたい方はもちろん、アメリカーノなどエスプレッソドリンクを楽しみたい方にも自分は増幅弁ポルタフィルターからボトムレスフィルターに変更することをお勧めします。
逆に増幅弁で抽出したエスプレッソしか飲んだことのない方は味と香りの違いにビックリすると思います。
ちなみに今回自分はLa mellow(ラ・メロウ)という所のボトムレスフィルターを購入しました。
他にも色んな商品がありましたが、安いものだとネック部分がすぐに壊れてしまったりと粗悪品も多いみたいなので多少値段が高くても良いものを買うのがお勧めかと。
ちなみにこのボトムレスは重さもあり、ネック部分も頑丈そうですぐに壊れる感じはなさそうです。
良ければ購入の際の参考にして下さい。
今から増幅弁搭載の家庭用エスプレッソマシンを購入してラテアートをやりたいという方は、初めからこのボトムレスフィルターに交換する前提で一緒に購入してもいいかもしれません。
いつか変更するなら、自分のように時間と労力を無駄にせずに済むと思います(^-^;
ボトムレスフィルターのデメリット
一応最後にボトムレスフィルターのデメリットもお伝えしておかなければと思います。
ボトムレスフィルターの唯一の難点というと「扱いが少し難しい」という所です。
自分もボトムレスフィルターが届いてからこの記事の写真を撮る前に二回程調整で失敗しています。
ボトムレスフィルターの失敗は悲惨です。
飛び散る!びちゃびちゃに飛び散る!!(エプロンをするか、白いTシャツで調整するのは止めましょう)
自分は業務用マシンで何度かボトムレスの経験もあり、挽き目調整やタンピングに慣れているので数回である程度の抽出ができましたが、初心者の方は良いエスプレッソを抽出するのに少し苦労するかもしれません。
ただ味や香り、ラテアートのしやすさはその苦労に見合う分だけの価値があります!
なので是非チャレンジしてみて欲しいと思います。
このように飛び散らず真ん中から一本線になって抽出されるのが正解の基準になります。
自分もこれからもっと自分好みのエスプレッソを抽出できるように調整を続けていきたいと思います!
今回この記事で自分が使用しているのは、
・デロンギ デディカアルテ
・ソリスグラインダースカラプラス
・WPMミルクピッチャー
になりますが、別記事にレビューとして書いているので興味があれば是非そちらも参考にしてみて下さい。
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