コーヒーの蒸らし時間と味への影響をバリスタが解説

今回はコーヒーの抽出における「蒸らし時間」について少し詳しく解説していこうと思います。

そもそも「なぜ蒸らしが必要なのか?」という疑問から「蒸らし時間と味への影響」についてまで書いていきます。

今まで何となく蒸らし時間が必要と聞いていたから何となくやっていたという方はこの記事を読むことで理解が進み、コーヒーの抽出に活かしていく事ができると思います。

それでは今回の目次はこちらです。

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蒸らしの目的とは?

それではまず蒸らしの目的から解説していこうと思います。

蒸らしの目的は一言で表すなら「コーヒー粉の炭酸ガスを逃がす」のが目的になります。

コーヒー粉にガスが残っているとコーヒーの味が出にくく、抽出の妨げになってしまいます。

そこで蒸らしを行いコーヒーを抽出し易くしているという訳です。

また前もってコーヒー粉全体を蒸らす事で本抽出の際にお湯が通り易くなります。

このように蒸らしは上手く抽出を行う為の大切な事前準備作業となります。

蒸らし時間の味への影響

先ほど蒸らし作業は本抽出の為の下準備と説明しましたが、この蒸らし時間は出来上がりのコーヒーの味にも大きく影響を与えてきます。

【蒸らし時間】

  • 短い→あっさりと軽めの仕上がり
  • 長い→コクや苦みといった成分が抽出されやすく濃厚な仕上がり

このように蒸らしの時間を変えるだけでその出来上がりの味が変化します。

また一般的に蒸らしの時間は30秒程度とする場合が多く、そのぐらいの時間を基準に蒸らし時間を調整して狙ったコーヒーを抽出していきます。

このように好みや、その時々によって蒸らし時間を変えたりします。

蒸らしを行う際の注意点

これまで蒸らし時間の重要性を解説してきましたが注意点もいくつかあります。

これから紹介するのは蒸らし作業をする際に頭の片隅に入れておいて欲しいことになります。

フィルターを避けて全体に染み渡るように注ぐ

蒸らし作業は主にハンドドリップの際に行う事が多いと思います。

そしてその際の注意点としては「ペーパーフィルターに直接お湯をかけない」という事です。

コーヒー粉ではなくペーパーフィルターに直接お湯が当たってしまうとそのままお湯が下に落ちてしまう為、出来上がりのコーヒーが薄くなってしまいます。

なのでコーヒー粉全体に広がるように丁寧にお湯を注いでいくようにします。

蒸らし時間の置きすぎには注意

蒸らしを行う事でコクの強い濃厚なコーヒーになるからといって、あまりな長時間の蒸らしには注意が必要です。

コーヒーは抽出の後半に苦味や雑味といった成分が出やすくなります。

なので度を超す長時間の蒸らしを行うとコクを通り越して苦味や雑味の強いコーヒーになってしまいます。

ではどのぐらいの蒸らし時間が適切なのか?

自分の考える蒸らし時間は長くても1分ぐらいまでかなと思っています。

抽出別・蒸らしのポイント

これからは実践的にどのように蒸らし時間を調整していくかを解説していきます。

ちなみにこれから紹介するのは自分の考えなのであくまで参考程度にして貰えればと思います。

ハンドドリップの蒸らしの場合

ハンドドリップの蒸らしの場合、自分は通常30秒とすることが多いです。

ただ浅煎り豆など、ちょっとしっかりと味を出したいといった場合には蒸らし時間を1分にしたりします。

これは完全に好みの問題になってきますが、浅煎り豆の場合30秒だと少し酸味が強くさっぱりし過ぎになる印象があります。

もちろんそれが間違いではありませんが、

このように自分の好みによって蒸らし時間を30秒~1分以内で調整してみて下さい。

フレンチプレスの蒸らしの場合

フレンチプレスの場合は基本的に蒸らしを行わない事が多いと思います。

でもフレンチプレスで淹れたコーヒーはちょっと物足りないといった時は蒸らしを行う事でコクを引き出す事ができます。

その際は一気にお湯を注ぐのではなくハンドドリップのようにコーヒー粉全体にお湯が染み渡る程度に注いで、30秒ほど蒸らした後に残りのお湯を注ぎます。

それだけでも出来上がりの印象が変わります。

またもっとしっかりコクを出したい場合は通常4分時間を置くところを5分にしてみて下さい。

そうする事でフレンチプレスでもかなり重厚な印象のコーヒーに仕上げる事ができます。

まとめ

今回は「蒸らし」に焦点を当てて解説してきましたが如何でしたか?

このようにコーヒーの抽出は蒸らしの1つをとっても大きく仕上がりが変わってきます。

こういった奥深さがコーヒーの面白さでもありますが、だからといって難しく考える必要はありません。

要は自分の好みのコーヒーを飲む為に「この前はちょっとあっさりし過ぎていたから今回は少しだけ蒸らし時間を長くしてみよう」など、こんな風に気軽に取り組んで頂ければと思います。

それでは今回は少し長くなりましたが最後まで読んで頂いてありがとうございました。

良ければ他にもコーヒーに関する記事を沢山書いていますので覗いていって貰えればと思います。

では、また別の記事で。

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この記事を書いた人

norino
norino
barista/cafe
普段はエスプレッソ専門。自宅ではハンドドリップ、フレンチプレス。
自身の知識と経験から特に初心者~さんにコーヒーの楽しみ方をお伝えしていけたらと思っています。