エスプレッソ抽出における調整のやり方をバリスタが解説(家庭用エスプレッソマシン)
こんにちは、バリスタnorinoです。
「おうちラテアート講座」と題して不定期に更新しているこのシリーズですが、今回はおうちラテアート講座③として、
家庭用エスプレッソマシンにおけるエスプレッソ抽出の調整の仕方についてお話したいと思います。
自宅で家庭用エスプレッソマシンを使っている方の中には、自分の抽出しているエスプレッソが果たして正解なのか?きちんと抽出できているのか?と思っている方もいるのではないでしょうか。
「クレマが全然立たない」
「しゃばしゃばの薄いエスプレッソになる」
「ポタポタ過ぎて過抽出な気がする」
またラテアートが上手くできないといった方の中にはそもそもエスプレッソの抽出から失敗している場合も多くあります。
今回はこうした時にどういった点に注意して調整すればいいのかを解説します。
すぐに実践できる重要なポイントを3項目に絞ってお伝えするので、もし今まで何となくエスプレッソの抽出をしていたという方は参考にして、是非今日からの抽出に活かしてみて下さい。
アメリカーノを作るにも、カフェラテを作るにもこのエスプレッソの抽出が一番基本になるので必ず押さえておきましょう。
それでは早速本題に入っていきます。
上手く抽出できていないと思った時は基本的にこの1から3の順番に考えて調整していきます。
特に難しいことはないので、では順番に見ていきましょう!
コーヒーの豆の分量で調整する
エスプレッソの抽出が上手くできていない時は、
まず「使用するコーヒー豆の分量」を考えます。
コーヒー豆の分量が少なければクレマの立たない薄いエスプレッソになりますし、逆にコーヒー豆の分量が多ければポタポタした過抽出なエスプレッソになってしまいます。
ただこの使用するコーヒー豆の分量に関しては使用するポルタフィルターの大きさによって既にメーカーから推奨されているグラムが決まっています。
なので基本的にはその分量に合わせてコーヒー粉を詰めれば問題ありません。
51㎜ポルタフィルターならば15g前後
58㎜ポルタフィルターならば18g~20g
だいたいこのぐらいの分量を使用する形になると思います。
もし使用しているポルタフィルターの適正分量が分からなければ一度説明書などを読んで確認してみましょう。
ただここで頭に入れておいて欲しいのは、使用するコーヒー豆の量が多ければ濃く、使用するコーヒー豆の量が少なければ薄くなるという事です。
これはエスプレッソだけではなく、ハンドドリップや他のコーヒー抽出においても同じことが言えるので頭に入れておきましょう。
そしてエスプレッソの抽出においては基本的に一度決めたコーヒー豆の分量は変えないようにします。
毎回グラムを計って詰めればいいですが、急にしゃばしゃばのエスプレッソになった、急にポタポタ落ちるようになったという時は粉が少なかった、粉が多かったという事もよくあります。
ここできちんとコーヒー粉の分量が固定されているという前提で次からの挽き目調整に入っていきます。
グラインダーの挽き目による調整
それではコーヒー豆の分量が適正であることの確認ができたら今度はグラインダーの挽き目の調整を行っていきます。
ここでの調整基準は二つです。
- クレマが立たない、薄いエスプレッソなら挽き目を細かくする
- 中々エスプレッソが落ちてこない、過抽出気味なら挽き目を粗くする
この時に家庭用のグラインダーなら1目盛りずつ変えるのではなく、数ミリ単位で変えていきます。
エスプレッソの抽出においてこの目盛りの数ミリだけで本当にエスプレッソの質が変わってきます。
使用する豆が決まっているのなら、まずは何度も調整してココ!だという地点を決めておきましょう。
もし毎回使用する豆が違う場合は、豆の大きさや焙煎度合い、湿度などを考える必要があるのである程度の経験が必要になってきます。
こればかりは自分で何度も挽き目を変えて何度も抽出してみるしかありません。
でもそうして何度も調整しているとだんだんと「このぐらいかな」と感覚で分かるようになってきますので頑張ってやっていきいましょう!
焙煎度合いの違いによる挽き目の調整
そして最後に「焙煎度合いの違いによる挽き目の調整」についての解説です。
挽き目は同じなのにコーヒー豆を変えたら抽出が早くなった、遅くなった。
こんな経験ありませんか?
自分もコーヒーを始めたての頃はこれが何でなのか?何が原因なのかが分かりませんでした。
実はコーヒー豆は焙煎度合いによって豆の硬度(硬さ)が変わってきます。
浅煎り 中煎り 深煎り
硬い > 柔らかい
これは焙煎中にコーヒー豆の中にある水分がどんどん蒸発していくことによるものです。
浅煎りはまだコーヒー豆の中に水分がたっぷりで詰まっていて硬い、深煎りは水分が抜けてコーヒー豆の中がスカスカになっているイメージです。
硬さが違うという事は浅煎り豆と深煎り豆は同じように削れないという訳です。
なのでここでの調整ポイントはこうなります。
- 浅煎りの豆を使用する場合は挽き目を細かくする
- 深煎りの豆を使用する場合は挽き目を粗くする
このことを頭に入れておくと挽き目の調整のレベルがグッと上がります!
いつも深煎りの豆を使っているけど今回は浅煎りの豆を使うから挽き目を少し細かくしよう。などといった具合です。
ちなみにここでの目盛りの調節も数ミリ単位で動かします。
コーヒー豆を変えると上手く抽出ができなくなるといった方はここの調整で失敗している場合がほとんどなので、是非このように焙煎度合いによって挽き目を調整してみて下さい。
ラテアートにおける理想のエスプレッソ
これは完全に好み問題もあるかもしれませんが参考程度に聞いてみて下さい。
よくポタポタ系のエスプレッソがラテアートをやり易いという意見も聞きますが、個人的には粘度が強すぎて難しい場合が多いです。
確かにしゃばしゃばのクレマの立ってないエスプレッソよりはコントラストがハッキリ出てラテアートが分かり易いですがその辺の調整加減が難しいですよね。
そんな風に描き易いエスプレッソというものは人それぞれなので、今回のこの記事を参考にして色々なエスプレッソで挑戦してみて欲しいと思います。
ただ一点確かなのはラテアートのコントラストをくっきり出したいなら深煎り豆がお勧めです。
それではまた次回の「おうちラテアート講座④」も楽しみにしておいて下さい。
過去記事も良ければ読んでみて下さい。
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コーヒーのサブスクならPostCoffee【ポストコーヒー】この記事を書いた人
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