味にも影響を与えるクレマリングを知っていますか?現役バリスタが解説します。

クレマリングという言葉を聞いた事がありますか?

普段カフェラテやカプチーノを飲まない、また自分でラテアートをしない方にとっては馴染のない言葉なので知らない方も多いと思います。

まず簡単に説明すると、

クレマリングとはラテアートを描いた後にできる、カップの淵に沿って丸くリングのようにできるクレマの層の部分になります。

上の画像で言うとカップの真ん中に描かれたハートのラテアートの外側に丸く囲っている茶色の部分ですね。

(ココの部分)

自分はラテアートをやっているので常にこのクレマリングは意識しているんですが、

でも特にラテアートに興味のない方はこれが「クレマリング」だと知ったところで、でもそれがどうしたの?と思いますよね(^-^;

実はこのクレマリングはラテアートを綺麗に見せる以外に実はもっと大事な役割を果たしているんです!

それは何かというと、

「実際に飲む時の味に影響を与えている」ということです!

と言われても「えっ?」と思う方もいると思うのでこれから解説していきます。

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クレマリングの与える飲み口への影響

Q&A

この二杯のカフェラテで、よりコーヒー感が強く感じられるのはどちらのカップのカフェラテでしょうか?

どうでしょう?

恐らくそこまで深く考えてコーヒーを飲んでいる方は少ないと思うので直ぐに答えが分かった方はコーヒー従事者かかなりのコーヒーマニアだと思います笑

回答を先にお伝えすると、

左側のカフェラテの方が一口目を飲んだ時によりコーヒー感を強く感じます。

理由を説明すると左側のカップは一口目を飲む時にまずクレマリングの部分を飲む事になります。

先ほどもお伝えした通り、このクレマリングはエスプレッソの苦みやコク、香りが凝縮されたクレマの部分なので、その部分がまず口の中に入ってくる事でこのコーヒーはしっかりとコクのあるコーヒーという印象を与えます。

そして右側のカフェラテは左側のカップに比べてミルク感の強い印象を与えます。

右側のカップはラテアートが下側に寄ってしまい、ちゃんとしたクレマリングができていません。

すると一口目の飲み口は白いラテアートの部分。つまりミルク部分が先に口の中に入ってくる事になります。

そうなると左側のカップとは違い、今度はこのコーヒーはミルク感のあるコーヒーという印象を与える事になります。

一口目のファーストインプレッションが大事

とは言ってもスプーンで混ぜたり、ラテアートも関係なくなるぐらい飲み進めると味は一緒なんじゃないか?と思うかもしれません。

確かにそうやって飲み進めていくとこのクレマリングの効果もなくなっていきます。

ただコーヒーの一口目に与える印象は重要なものになります。

人の第一印象にも似たことが言えるかもしれませんが、ファーストインプレッションというものはその時点でそのものの評価をほとんど決めてしまいます。

なのでクレマリングの有無で同じコーヒーでも一口目からもう「コーヒー感の強いカフェラテ」と「ミルク感の強いカフェラテ」と全く違う印象を与えてしまう訳です。

クレマリングを狙って作らない場合もある

(こういったリーフ柄は奥から描きはじめる為、飲み口部分のクレマリングがくっきりではなくぼやけた感じになり易いです。)

一番初めにお伝えしましたが、クレマリングはラテアート大会の評価基準にもあって美しいラテアートを描けているという基準にもなります。

ですが、敢えてクレマリングを作らないでラテアートを描く場合もあります。

それはミルク感の強い印象を与えたい時です。

誰もがコーヒー感の強いカフェが好きな訳ではありませんし、提供する側が狙ってミルク感を強く感じられるものを提供したい場合もあります。

そうした時は敢えてクレマリングを作らないラテアートをして提供する訳です。

例えば、

カフェラテはミルク感の強いもの。
カプチーノはよりコーヒー感を強く感じられるもの。

こういった場合はカフェラテはあまりクレマリングの部分が多く出ない柄。カプチーノはくっきりクレマリングの出る柄。といったような工夫をする事もできることになります。

このようにクレマリング一つとってもその一杯の印象を大きく変えます。

そしてそうした色々な要素が複合されて「美味しいコーヒー」が作り上げられているのです。

最後にラテアートをやっている方向けに失敗例

それではこれまで「クレマリングの影響」について解説してきましたが、最後にラテアートをやっている方向けに失敗例を一枚上げようと思います。

この写真のカフェラテは一見とても上手にラテアートできているように見えます。

ですがクレマリングの一番外側の部分が白くぼやけているのが分かりますか?

これは量増しの時にクレマを崩してしまったり、注ぎの勢いが強すぎて「クレマがめくれてしまった」ものになります。

こうなると綺麗にクレマリングもでないですし、一口目の印象も少しミルクが入ってきてしまいます。

ラテアートを頑張っている身としては惜しい一杯です。

自分もよくなってしまう現象ですが、

クレマリングをくっきり出す為に優しく丁寧に心がけていきましょう!

と、今回はクレマリングについての解説でした!

もしこれからまたカフェラテやカプチーノを飲む機会があるなら、その時はこのクレマリングにも注目して飲んでみて下さい。

それでは今回はここまでになります。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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この記事を書いた人

norino
norino
barista/cafe
普段はエスプレッソ専門。自宅ではハンドドリップ、フレンチプレス。
自身の知識と経験から特に初心者~さんにコーヒーの楽しみ方をお伝えしていけたらと思っています。