コーヒーディストリビューターは必要か?現役バリスタが検証してみました。

コーヒーディストリビューター(エスプレッソディストリビューター)というこちらの器具。

この存在を知っている方は間違いなくコーヒーに詳しい方に違いないです!

このディストリビューターという器具はエスプレッソを抽出する際にコーヒー豆を詰めてならす作業をする時に使うのですが大会などで使われているのをよく観ます。

自分ももちろん存在は知っていたのですが、特に必要性も感じなく扱う機会がずっとなかったんですね。

でも持っている方からお借りする事ができたので実際ディストリビューターを使う事で何か変わるのかを検証してみました!

先に結論です。

ディストリビューターを舐めていました!すみませんでした!!

正直、全く使う意味はないと思っていたんですけどあるなら断然使った方がいいです!

現在すでにディストリビューターを使っている方からしたらそりゃそうだろ!と思うかもしれませんが、自分のように効果に疑問符を持っている方もいると思うんですよね。

今回はそんな風に
『ディストリビューターって意味あるの?』
『ディストリビューターって初めて聞いた』

という方に参考にしてもらえればと思います。

少し記事が長くなると思うのでまあ気軽にザっと「へーっ!」ぐらいの気持ちで読んでいって下さい。

CONTENTS

※購入する際はポルタフィルターのサイズ(51㎜・53㎜・58㎜)を間違えないように注意です!

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ディストリビューターの役割

まずコーヒーディストリビューターの役割、何のために使うのかを説明しなくてはいけません。

ディストリビューターは英語のディストリビューション(分配する)から名前が付けられており、タンピングの前にクルクルと回してポルタフィルター内のコーヒーの粉を均等に分配してならすのに使います。

エスプレッソを抽出する際にエスプレッソマシンからの圧力を均等に粉にかけてムラのない抽出する狙いがあります。

タンピング作業に不慣れだとポルタフィルター内の粉が斜めになってしまったり、抽出の際の圧力が分散してしまい抽出ムラや味のバラつきに繋がってしまいます。

そこをディストリビューターを使う事でベテランのバリスタでも新人のバリスタでも誰でも同じようにタンピング作業をサポートし、安定したエスプレッソ抽出を行う事ができるようになります。

色々な人がエスプレッソ抽出をするカフェなどで一つあるととても便利な器具です。

ディストリビューター使用・不使用での比較①

自分はタンピング作業にそれなりの自信があるので特にディストリビューターの必要性を感じてなかったのですが今回、何杯が淹れて使用感を試してみた後に二回ほどきちんと検証してみました。

条件は同じマシン、同じ豆とグラム、そしてなるべく同じ柄で、ディストリビューターを使用・不使用で抽出したエスプレッソでラテアートを行いました。

比較するのはタンパー内の粉の状態、抽出されたエスプレッソ、ラテアートの出来、味と香りです。

一回では試行回数的にも判断できないので二回同じ検証を行っています。

まずはこの記事TOPに貼った画像の右側の背の低いディストリビューターを使用したものになります。

粉詰め~タンピングまで

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

同じ20gの粉を詰めて左側がディストリビューターを使用した後にタンピング、右側がタンピングのみになります。

正直見た目にはほぼ同じですが、実際にやってみた印象としてはディストリビューターありの方がタンピング前にすでに粉が均等にならされているので後は上から押さえつける感じでタンピングするだけでその作業自体は楽でした。

そして粉の密度が少し高く、しっかり強めにタンピングした後のような感じになりました。

エスプレッソ抽出

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

エスプレッソ抽出です。

タンピングの時の印象通り、ディストリビューターを使用した左側の方がしっかりとしたこくのありそうな厚いクレマのエスプレッソが抽出されました。

少し過抽出気味かと思いましたがそれは大丈夫そうでした。

写真では少し分かりづらいですね。

ラテアートの比較

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

なるべく同じ柄で比較してみました。

ディストリビューター使用の方を先に淹れたので時間が経っている分、左側のカップのミルクが少し泡だっているのはご了承下さい(^-^;

見た目では分からないと思いますがラテアートをする際、ディストリビューターを使用して抽出したエスプレッソの方がしっかり抽出されているにも関わらず柔らかくミルクが流れて非常に描き易かったです。

そしてしっかりとしたエスプレッソが抽出されている分、出来上がりの濃淡もディストリビューター使用の方がくっきり出ています。

ディストリビューター使用・不使用での比較②

今度はもう一つの黒い方のディストリビューターを使用した検証になります。

こちらはディストリビューターは反対側がタンパーになっていてギャップを外す事で使用できます。

ただこのタンパーは少し使いづらかったので使いませんでした。

おまけみたいなものですね(^-^;

粉詰め~タンピングまで

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

こちらも同じ20gの粉を詰めて左側がディストリビューターを使用した後にタンピング、右側がタンピングのみになります。

ちょっと拡大してみました。

やっぱりディストリビューターありの方が気持ち粉が詰まっている感じがする…?

エスプレッソ抽出

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

今回は写真からの見た目でもディストリビューター使用の方が明らかにしっかり良いエスプレッソが抽出されているのが分かります。

タンピングには自信ありですが、それでもこれだけの差が出るとは正直驚きでした。

この差だけでもディストリビューターを使用する価値は十分にあると思います。

ラテアートの比較

左側がディストリビューター使用
右側がディストリビューター不使用

一回目の検証と同じく、今回もディストリビューター使用のエスプレッソの方がやはり柔らかくラテアートがとてもやり易かったです。

ムラのない抽出がエスプレッソをクリアにしていてラテアートが描き易いのか、正直その辺のちゃんとした理由は分からないのですがディストリビューターを使用した方がラテアートを描き易いのは確かです。

この検証以外でも何杯も淹れていますが体感として間違いなさそうです。

なので綺麗なラテアートをやりたいという目的でもディストリビューターは有効なアイテムだと思います。

実際に飲んでみた味への影響の感想

上記の検証からもディストリビューターを使用することでしっかりしたエスプレッソを抽出しやすく、ラテアートも描き易くなることが分かりました。

でもコーヒーで一番大切なのは飲んで美味しいかどうかです。

どんなにラテアートが綺麗でも美味しくなければ全部が台無しですもんね。

何十杯かアメリカーノやカフェラテにして飲んでみた感想ですが、

ディストリビューターを使用して淹れたコーヒーの方が雑味が少なく、クリアで香り高くなる印象です。

やはり自信があっても均等な粉の密度やタンピングにバラつきがあるという事だと思います。

特にカフェラテなどではミルクの甘味に負けないぐらいの香りが残っていて美味しかったです。

画像は今回の検証と同じ感じで比べて飲んでみた時のものです。

この時も左がディストリビューター使用ですが色味から分かるように右のカップよりしっかりとしたエスプレッソでラテアートも綺麗に乗り、コクや香りも強く美味しかったです。

結論

今回の検証から実際に感じた印象でディストリビューターが必要かどうかを考えてみました。

実際に使用してみて感じたディストリビューターの効果

  • ラテアートの描き易い柔らかく、しっかりとしたクレマのエスプレッソが安定して抽出できる。
  • 抽出ムラが少なくなり香り高いクリアなエスプレッソを抽出しやすくなる

ラテアートの面でも味の面でもディストリビューターを使用した方がメリットがあるという結論になりました。

自分は正直ディストリビューターはそこまで必要ないだろうと思っていたので、実際にこうして検証してみて考えが変わりました。

購入する余裕があるなら使った方がコーヒーの質を一つ上げる器具になります。

なのでもし購入を検討していてこの記事を読んでいる方は購入して損のないものだと思います。

特に家庭用マシンで使用したらエスプレッソの質も上がってラテアートも描き易くなるのはめちゃくちゃ魅力的です。

自分も恐らく購入すると思うので買ったらまたその時レビュー記事も書きたいと思います。

では最後まで読んでくれてありがとうございました。少しでも参考になっていれば嬉しいです!

※購入する際はポルタフィルターのサイズ(51㎜・53㎜・58㎜)を間違えないように注意です!

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この記事を書いた人

norino
norino
barista/cafe
普段はエスプレッソ専門。自宅ではハンドドリップ、フレンチプレス。
自身の知識と経験から特に初心者~さんにコーヒーの楽しみ方をお伝えしていけたらと思っています。